SHUBB社から新しいカポが登場しました。
その名も 『Fine Tune カポ』
普通のSHUBBカポとはひと味違う、実に美しい仕上げのカポです。
サイド部分にはSHUBBの文字も入っています。
ツマミの部分には綺麗なアバロンのインレイも。
箱にも今回の『Fine Tune カポ』への力の入れようが感じられます。
見栄えはともかく、大事な機能面について。
元々SHUBBカポはチューニングの狂いはそんなに悪くは無かったのですが、
その名前の通り『Fine Tune カポ』は今までのSHUBBカポよりもさらにチューニングの狂いが少なくなるように、そして、更にいくつかの新しい工夫もされているようです。
実は私は半年ほど前から「F1」と「F3」※を使用しています。
なんだか綺麗だし、かっこいいし、使い勝手もとっても◎
すごく気に入っていて最近はついついコレばかりを使っています。
※
「F1」ノーマルタイプ、内側の寸法=49mm
「F3」 ワイドタイプ、内側の寸法=56mm
***
『Fine Tune カポ』の特徴を私の考察も交えながら解説します。
今までSHUBB社のカポよりもバー部分、幅も狭く厚さも薄くなっています。
今までのもの=7mmに対して、『Fine Tune カポ』は5mm
おそらくこれがチューニングの狂いを少なくするための工夫の核心ではないでしょうか。
今回、SHUBB社にしては珍しく、両指示型のU字構造になっています。
・まずチューニングの狂いを少なくするためにレバーを細くしよう
(押さえる幅の少なさ、ネックのRに付いていくためのバーのしなりを考えて)
・そうすると今までの片方のみ支持構造では難しい
・ならばU字構造にしよう
という発想の順番なのではないかと思います。
↑三好の勝手な想像です。
***
私は元来、U字型のカポは嫌いでした。なぜならU字型のものはネジ裏のカバー部分が外れるとネックの裏側が傷だらけになるからです。
日本製Y社のカポのせいでそうなってしまったギターも多く見てきました。
私も中学生の頃にモーリスギターにそんな傷を付けてしまいましたが、同じご経験された方も少なく無いのではないでしょうか?
ところがさすがはSHUBB社、この部分の対策もバッチリです。
気になるビスはネック側の方に溶接されているので回転はせずに、ダイヤル部分の方がナット構造になっているので、ビスはあくまでダイヤルの方に吸い込まれて行くだけなのです。
決して派手なポイントではありませんが、実に真面目によく考えられていると思います。
***
さらにさらに、、
ネックの端にカポを「コツン!」と当ててしまって、部分的に塗装が白濁してしまうこともあります。
私はその対策としてコルクを貼っています。
残念ながら、私もそれをやってしまって悲しい思いをしたことがある、と言うことです。
なんと『Fine Tune カポ』にはその部分に初めからゴムがはめ込まれているではありませんか!
やるな〜、というより、よくぞここまで。
素晴らしいですぞ、SHUBBの人。
この構造によって、使わないときはナットより少し前の部分カポを置いておく、ということも出来るようです。
***
音質に関して「高級カポは良い音がする」的な事を言う人もいますが、私は価格ではなくて、その影響はほぼ質量(重さに)依存すると感じています。
当たり前ですが、仕上げやメッキで音質が変わる訳もなく、、
もちろん影響が全く0とは言い切れませんが、あっても極小でしょう。
数年前にSHUBBのアルミカポを試したときに、それはとても軽くて、結果ギターの音もスカスカになってしまいました。
「カポの重さでこんなにも音質が変化する」事に気付いた次第です。
さっそく『F1』重さを計ってみましたがこんな感じでした。
普通のSHUBBカポ=53.44g
『F1』=37.64g
軽すぎず重すぎず、適度な質量だと思います。
もちろん使用するギターやカポを付けるポジションによっては、50gのカポの方が心地良い場合もあると思います。
その辺は好みで使い分けるのがいいのではないでしょうか?
***
余談)
実は僕はSHUBBカポが大好きで、もう30年以上使い続けています。
写真ものはその30年ほど前に買ったものです。
驚くべき事にSHUBBカポのゴムには全く劣化が見られません。
他社のものは数年でヒビ割れてきたりたりベタついたりしてしまいますが、そうなると、ちゃんと弦を押さえられなかったり、チョーキングするとひかかって戻ってこなかったりするので使い物にならなくなってしまいます。
しかも、こんなに優秀なカポなのに、なんとSHUBB社は交換用ゴムだけも販売しています。
どこまでギタリストに優しい会社なのでしょう。
実はVICTORカポのゴムがダメになると「SHUBBのゴムを切って貼る」という裏技も、業界では有名だったりします。
最後になりますが、『Fine Tune カポ』を紹介して下さって京都のN氏(ギター番長)に感謝します。
ここまで。。