LXP-1、「ASSEMBLED IN CHINA」モデルに手を出してはいけない理由
【重要注意】
今や工業製品の生産において世界のトップに君臨している中国。
あなたのApple製品も音楽業界の機材(スピーカーやミキサーなど)の生産もほぼそうです。
ですので、この記事は中国で生産された製品を見下すものではありませんし、
中国の友人(私も多く友人がいます)を侮辱するものではないことを重々にご理解頂いた上、お読み下さい。
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時は1990年代半ば、
地球温暖化問題というネタが登場し、フロンは温室効果ガスとされ、またオゾン層に穴をあけてしまうという話が出てきました。
当時、電気回路基板を洗浄するために大量のフロンが使われていたのです。
ではなぜ基板をフロンで洗浄しなくてはならなかったのでしょうか?
その理由はハンダに塩素が含まれていたから。(正確には、塩素が含まれるのはフラックス)
塩素が基板に残っていると製造後にハンダや銅箔パターンが腐食してしまうので、それを避けるためにフロンで洗浄していたのです。ということで、
・ハンダに塩素を添加するのは止めよう
・そしてフロン洗浄もやめよう → 無洗浄となったのです。
これは私の想像ですが、
当時の中国のLXP-1の生産工場にはこの情報の一部が欠けたままに伝わった可能性が高いと思われます。
おろらくそういう経緯で、
・塩素入りハンダで製造したのに
・フロンで洗浄しない
という事が起こってしまったのでしょう。
そうして製造された、塩素が残っているのに洗浄しなかった基板が30〜35年経つとこうなります。
これはまだマシな方です。
部分的に銅箔パターンが無くなっていた基板も見た事があります。
私は修理不能になってしまったLXP-1(ASSEMBLED IN CHINA)を何台も見てきました。
だから『LXP-1メンテナンスメニュー』や『LXP-M』案内にも「China製は既に内部基板が腐食している可能性が非常に高いため対象外とします。」
と書いています。
『LXP-1メンテナンスメニュー』http://mfac-guitar.com/files/doc/LXP-1_maintenamce.pdf
『LXP-M(軽量化プロジェクト)』http://mfac-guitar.com/files/announce/LXPM_announce.pdf
国内外のオークションサイトでも時々LXP-1を見かけますが、こういった事情がありますので、LXP-1の「ASSEMBLED IN CHINA」モデルには手を出してはいけないのです。
余談ですが、もう少し後年に発売されたMPX1など、中国で生産されたものは「MADE IN PRC」の表示がありますが、上記のような懸念は払拭されており、製造上の問題は無い事もお伝えしておきます。
〜ここまで〜
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