Electric / 電気関係

2025年3月 4日 (火)

LXP-1、「ASSEMBLED IN CHINA」モデルに手を出してはいけない理由

【重要注意】
今や工業製品の生産において世界のトップに君臨している中国。
あなたのApple製品も音楽業界の機材(スピーカーやミキサーなど)の生産もほぼそうです。

ですので、この記事は中国で生産された製品を見下すものではありませんし、
中国の友人(私も多く友人がいます)を侮辱するものではないことを重々にご理解頂いた上、お読み下さい。

~~~

時は1990年代半ば、

地球温暖化問題というネタが登場し、フロンは温室効果ガスとされ、またオゾン層に穴をあけてしまうという話が出てきました。

当時、電気回路基板を洗浄するために大量のフロンが使われていたのです。

ではなぜ基板をフロンで洗浄しなくてはならなかったのでしょうか?

その理由はハンダに塩素が含まれていたから。(正確には、塩素が含まれるのはフラックス)

塩素が基板に残っていると製造後にハンダや銅箔パターンが腐食してしまうので、それを避けるためにフロンで洗浄していたのです。

ということで、

・ハンダに塩素を添加するのは止めよう

・そしてフロン洗浄もやめよう → 無洗浄
となったのです。

これは私の想像ですが、
当時の中国のLXP-1の生産工場にはこの情報の一部が欠けたままに伝わった可能性が高いと思われます。
おろらくそういう経緯で、
・塩素入りハンダで製造したのに
・フロンで洗浄しない
という事が起こってしまったのでしょう。

そうして製造された、塩素が残っているのに洗浄しなかった基板が30〜35年経つとこうなります。

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これはまだマシな方です。
部分的に銅箔パターンが無くなっていた基板も見た事があります。

私は修理不能になってしまったLXP-1(ASSEMBLED IN CHINA)を何台も見てきました。

だから『LXP-1メンテナンスメニュー』や『LXP-M』案内にも
「China製は既に内部基板が腐食している可能性が非常に高いため対象外とします。」
と書いています。

『LXP-1メンテナンスメニュー』http://mfac-guitar.com/files/doc/LXP-1_maintenamce.pdf
『LXP-M(軽量化プロジェクト)』http://mfac-guitar.com/files/announce/LXPM_announce.pdf

国内外のオークションサイトでも時々LXP-1を見かけますが、こういった事情がありますので、LXP-1の「ASSEMBLED IN CHINA」モデルには手を出してはいけないのです。

余談ですが、もう少し後年に発売されたMPX1など、中国で生産されたものは「MADE IN PRC」の表示がありますが、上記のような懸念は払拭されており、製造上の問題は無い事もお伝えしておきます。

〜ここまで〜


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2017年2月14日 (火)

EQ3B / 電源部の改造

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『EQ3B』というパラメトリックイコライザーの電源部を改造、、

具体的には重いトランス型のACアダプタ対応だったものを、小型軽量のワールドワイド対応のものが使える様に改造しました。これで海外ツアーでもコンセントの電圧を気にせずに使用できるようになりました。

実は私、、20代後半から7年間ほど、某電源メーカーで回路設計の仕事に従事していました。
なので電源の設計は専門分野の一つだったりします。

トランス型ACアダプタのみ対応のエフェクターなど、重いとか、海外でも使用したい、などでお困りの場合はご相談下さい。

***
I modified the power section of EQ3B (Parametric Equalizer).
It is compact and worldwide compatible.
The circuit design of power supply is one of my expertise.

2016年12月18日 (日)

LXP-1、海外用のACアダプタ(220/230V地域対応)

ここ最近、日本のギタリストは海外、特にアジア方面で活躍する方が増えて来ました。

M-factoryのコントローラの電源は世界対応(100-240Vac)になりましたが、LXP-1を海外で使う場合は結局、旅行用変圧器=AC/ACアダプタが必要でした。

220/230Vac地域(中国、韓国)で演奏する際に一つ荷物が減るように(=旅行用変圧器が不要になるように)、220/230Vac用のACアダプタを探してみました。

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仕様の確認だけで「動くはず」ではプロに持たせる訳にはいきませんので、当然ですが、M-factoryでも動作の確認をしなければなりません。
そして、日本のAC電源電圧は100Vなので、確認のために100Vac→220/230Vacの変換が必要。

いずれは試験用にこういった装置は必要と考えていたので、この機会に思い切って写真のような「スライダック」と呼ばれる可変変圧器を導入することにしました。

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あっ、そうそう。
S山君に渡すと、きっと「俺のあれへんの?」とMK君が言ってくるのは目に見えているので、先読みして彼のも用意しています(笑)
 

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2016年12月12日 (月)

ネット情報、、安いか高いか

昔から『タダより高いものはない』と言いますが、、

つい先日、お客様から
「チューニングは開放より5フレットでした方がいいのですか?」
という質問がありました。

「それはどういう意味ですか?」と尋ねると、

「開放で合わせても5fで確認すると合わないのでそうした方が良い、、、とネットで読んだ」とのこと。

うーむ。。

「では、あなたのギターはどうですか?」と聞くと、
「いや、自分のギターは開放で合わせれば5fでも合っています」と。

そりゃそうです。
開放で合わせたのに5fで合わないのなら、、それは、、
チューニング方法の問題ではなくて、修理/調整が必要です。

車で例えると、
・ハンドルが真っ直ぐなのに、いつも少し右に寄ってしまう
・そんなときは、普段から少し左に切って運転すると良いですよ
みたいな話になっています。

ここでちょっと想像を膨らませると、
・ゲスト演奏などで急に(調整されていない)他人のギターを弾かなければならなくなったとき
・弦がいわゆる「ハズレ」だったが、換えが無くてどうしてもそのまま演奏しなければならなくなったとき

こういう状況で「開放で合わせたのに5fで合わない」のであれば、5fでのチューニングは曲とフレーズによっては有効な場合もあるかも知れません。

いずれにしても、タダの情報を(理解せずに納得しないまま)鵜呑みにするのは危険な事だなと、感じた次第です。ですのでこの記事も、、決して鵜呑みにはしないでください (笑)

ライブであなたの好きなギタリスト達がどんな風にチューニングしているのかを観察して参考にするのも良いかも知れません。可能ならばライブ後に質問してみるのも。

補足)
ギターのピッチが合わない時、実はその原因が弦にある場合も少なくありません。
そのまま調整をしてしまうと「ハズレ弦」専用のピッチ調整になってしまいます。

ピッチが変だと感じた時は、調整を行う前に少なくとも3セットくらいは弦を交換してみて、同じような傾向にあるかどうかをちゃんと確認してから施工した方がベターでしょう。
 

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